サルコイドーシス
サルコイドーシスは肺や目、リンパ節、皮膚、心臓など、さまざまな臓器に小さな腫れ物(肉芽腫)が形成される疾患です。目の病変は肺に次いで多くみられ、ぶどう膜炎という目の炎症を生じます。
サルコイドーシスの症状と特徴
サルコイドーシスは眼や皮膚、リンパ節などに類上皮細胞肉芽腫という塊が出る病気で、肺の中心のリンパ節が肥大することが最も多いのですが、これが目に現れることもあります。サルコイドーシス患者のおよそ半数が、目の病気を併発します。サルコイドーシスの原因はまだわかっていませんが、遺伝や他人への感染はありません。
目の病気は多くがぶどう膜炎で、重症化すると視力に深刻な影響をもたらすことがあります。しかし患者さんの多くは3年以内に症状が治まり、無症状であれば経過観察となることもあります。
眼に病変が出る以外では皮膚に斑点や湿疹が現れる、心臓に何らかの影響が出る、顔面神経麻痺などの神経系の症状が出るといった患者さんの例が報告されています。
サルコイドーシスの治療方法
サルコイドーシスは症状が軽ければ、経過観察で徐々に症状が治まる可能性もある病気です。ただし、ぶどう膜炎の症状が見られればステロイド薬や散瞳薬の点眼などが必要です。点眼薬だけでは症状が治まらない場合、ステロイドなどの治療が考慮されるでしょう。一部の患者さんは症状が長く出ることもあり、症状に応じた治療が必要となることもあります。
サルコイドーシスの場合、心臓などリスクの高い場所に変化がなければ、腫れが出るだけで日常生活に支障が出ないことも多いです。ただそサルコイドーシスが目に出る場合は、できるだけ目に負担をかけずぶどう膜炎などの症状に発展しないように心がけたほうがよいでしょう。