眼内リンパ腫
リンパ節をはじめ、全身のリンパ系組織に発生するがんを総称してリンパ腫(悪性リンパ腫)と呼びます。このリンパ腫は結膜や眼窩などの眼球周囲組織に発生するほか、眼球内に生じることがあり、これを眼内リンパ腫といいます。
眼内リンパ腫の症状と特徴
リンパ節に現れるがんのリンパ腫が眼球に生じる場合があり、これを眼内リンパ腫と呼びます。本来リンパに出るはずの腫瘍がリンパの存在しない眼内に出る原因などは、まだわかっていません。目のかすみや視力の低下、飛蚊症といった自覚症状に始まり、ぶどう膜炎という目の疾患と非常に似た症状を示すため判別が難しい病気となっています。
眼内リンパ腫はほとんどがびまん性大細胞型リンパ腫という分類の腫瘍で、高年齢の方に多く女性のほうがやや多くかかる病気です。目の問題もあるのですが、問題は多くの患者さんが全身の中枢神経系にリンパ腫ができ、様々な全身症状に悩まされるというところです。目と、目とは関係のない臓器でリンパ腫が見つかることもあります。
眼内リンパ腫の治療方法
目の治療も行わなければなりませんが、眼内リンパ腫では高い確率で中枢神経系のリンパ腫を併発し、全身症状を示すことも多くなります。ですから、全身のリンパ腫への対処や、リンパ腫によって出る症状・病気の対処を考えなければなりませんので眼科以外の治療も必要になってきます。目の治療については、目に放射線を照射する治療法やメトトレキサートという薬物を目に注射する治療法が用意されています。
放射線治療、メトトレキサートそれぞれ副作用・リスクがある治療で、どちらを選択するかは医師の診断によります。放射線治療の場合は角膜の障害や白内障などのリスクがあり、メトトレキサートでも眼内炎や角膜症などの可能性があります。